日曜日, 2月 28, 2016

本:エネルギー問題!

 タイトルに「!」がついてはいるが、実に真面目な本。どの分野にしろ、日本人の書いた、これだけ厚さで中身の濃い本はあんまり読んだ記憶がない。
 
 最初になぜ、石油があと30-40年でなくなる、と何十年も言われ続けているのか、をきちんと解説し、地球温暖化問題についても、実は二酸化炭素などが温暖化の大きな問題としている科学者は 30名程度しかいない、と疑問を投げかけている。
 また、原油価格が決まる背景についても、政治的、経済的な面から詳しく解説されている。 

 そのあたりは好感が持てるのだが、原発や核燃料サイクルを強く推しているところは「どうかなぁ」と思ってしまう。本が書かれたのが2009年12月と、福島原発事故の一年以上前なのだが、もんじゅのバタバタも含めて現在の著者の考えを知りたいところではある。
 
 本文中でいろんな予測をしているのだが、当たっているものも外れているものもある。後出しジャンケンでいうのもあれだが、小型原子炉やハイブリッド車・電気自動車の普及に関していえば、かなり外している。そういう意味では、予測に関してはあまりあてにしない方がよさそうだ。

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 日本人の書いた本としては、久しぶりに読み応えがあった本。だけどちょっと偏り気味かなぁ...。
 

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