日曜日, 10月 26, 2014

本:アリアドネの弾丸

 チーム・バチスタの栄光を読んで、海堂尊のファンになり、しばらくは出る本を全部読んでいたのだが、次第についていけなくなった。

 で、読み逃していた一冊を、思い出して図書館から借りてきた。

  田口・白鳥シリーズの一冊。イノセント・ゲリラの祝祭よりは面白かったが、それでも明け方までかけて一気に読むほどの面白さはなかった。

 この著者、キャラクタ作りは上手いと思うのだが、ちょっと極端過ぎるか。キーとなるトリック自体をテレビドラマ版で見て知っていたのと、他の作品で出てきたキャラをだいぶ忘れていたというのを差し引いても、「とっても」面白いまでは行かなかった。橘玲と足して2で割るとちょうど良い感じか。2で割らないと和製スティーブン・キングになって、それはそれで面白そうなんだが。

 あと、弾丸が磁力の影響を受けるという前提はフツーに考えるとお粗末極まりない。フツー銃弾は鉛でできていて、鉛は磁力の影響をほとんど受けない。これではロジカル・モンスターのロジックが根本から破綻してしまう(確かドラマ版ではこのあたりをうまくクリアしていた)。一万行のプログラムのソースをプリントアウトして、一行ずつ調べていくっていうのもどうかなぁ。ソースが見られる環境なら diff 一発なんだから。レジストリを一つずつ比較していく方が、まだリアリティがある。
 結局思い込みだけで走ってしまった、調査不足にしか見えない。

 ちなみに、25章の中盤で藤原さんが突然でてくるのはおかしい。363ページの IP レコーダーはどう考えても IC レコーダー。前後5行の中に IC レコーダーが2回も出てくるのに、なぜこれに気付けないのか。宝島社って、 編集や校閲はなにをやっているんだろうか???

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