日曜日, 7月 15, 2012

本:政治家の殺し方

 どこでこの本を知ったのかは思い出せないが、著者が若くして横浜市長になり(史上最年少(当時)で政令指定都市の市長)、週刊誌にスキャンダルでボロクソに叩かれ、任期途中で退任したというのは知っていた。で図書館に予約を入れたのがまわってきた。

 読んでみると、この人、政治家として止めを刺されたわけでは無さそうだ。スキャンダル報道でリコールされたわけでもないし、任期途中での退任も本人にとっては規定路線とか。
 もっとも、退任後に立候補した参院選では落選しているので、そういう意味ではダメージはあったのかもしれない。

 それよりも面白かったのは、著者に向けられた「偽」スキャンダルのからくり。スキャンダルとして取り上げられたものは色々あるのだろうが、大きなものは名誉毀損裁判で勝って、講談社に550万円支払い命令が確定したのだから「偽」と判断してよいだろう

 それよりも面白かったというか、ショックだったのは地方議会実態。地方都市ならともかく、東京の次に大きな街の議会がこの状況とは...。「極悪がんぼ」はマンガの世界だと思っていたが、ここでも事実は小説より奇なりか。
 中田さんも、こういう人たちとそれなりの付き合いがあれば、もう少しうまく切り抜けられただろうに。
 ま、それでは中田さんではなくなってしまうのだろうが。

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 中田さんの次の市長は、林文子さん。林さんが一年あまりで日産の役員をやめ横浜市長になったのかずっと不思議だったのだが、そこには著者の深慮遠謀も一枚噛んでいたらしい。

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 政治家は、特に有名になるほど毀誉褒貶は激しくなるだろうが、新書で読めるなら当人の言い分も一度キチンと聞いておかねば。

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