水曜日, 9月 30, 2009

本:ノーフォールト


 たぶん amazon のお勧めで見つけた本。図書館で借りてみた。
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城南大学病院に勤める女性産科医・柊奈智は、深夜の当直で容態が急変した妊婦の緊急帝王切開手術を行なう。ギリギリの判断が幸いし、子供は無事に生まれた。だが数日後、原因不明の出血が母親を襲った……
 と作品紹介にあるので、海堂尊系の内容を期待したがさにあらず。どちらかといえば、ノリは ER で奇を衒ったエンターテイメント性は抑えてかなり真面目な感じ。それもそのはず、著者は現役の産婦人科の教授で、真面目な医学書を何冊も書かれている

 手術シーンなども結構細かく書かれているが、素人向けの解説は特に無く、医学系のドラマ・マンガ・小説を読んだことのない人にはちょっときついかも。
 産婦人科が切った張ったの外科系の診療科目とは思わなかった。あと、ER でグリーン先生が控訴沙汰になった手技も、なぜあんなに出血したのかやっとわかった。
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 ミステリーと呼ぶにはちょっと難はあるが、(文筆家としては)素人が書いた文章としてはかなりいい。推敲を重ねただけあって、破綻しているところも気がつかなかった。あえて言えば、中堅どころの銀行員が民事訴訟の実態を知らなかったということぐらいか。

 

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